2017年12月18日

と言われるのも怖い

先週の朝日新聞の“いわせてもらお”欄に載っていた下記の投稿文には、大笑いしてしまった。
 
『確かに聴こえた』
かかりつけ医院で「知能検査をさせて下さい」と言われた。
ついに認知症が顕在化したか……と覚悟していると、「採血でーす」と呼ぶ声が。
思わず看護師に「最近は血液で知能検査ができるのですか?」
血の検査でしたか。 (78歳)

聞き間違えなんて珍しいことではないので、そんなに可笑しい話ではない。それなのに私がこんなに笑ったのは、きっと自分にも認知症への恐れがあるので、同じ聞き間違えをするかもと思ったからだろう。
もっとも最近は軽度の認知障害なら血液検査で分ると、何かに出ていたが。検査してくれる施設も多々あるらしいから行けば良さそうなものだが、検査して認知症の初期です、と言われるのも怖い。私は脳の検査にも行けない弱虫だ。口は人一倍達者なのに、と友は呆れるが。
アルツハイマーなんかは初期で分っても、進行は遅らせられるが治すことはまだ出来ないと言うから、知らない方が幸せってこともある。

平均年齢78歳のわがエッセイ教室、最近は身体の話や失敗話が多くなった。
特に83歳のエサカ氏は3回続けて脳の老化についてのことを書いている。特に彼の気懸りは車の運転のようだ。最後の車だからと奮発して買ったスポーツカー、ゴルフに行くときに必要なのでなかなか手放せない。 
去年くらいまでは、なんでもズケズケと言う私とキタムラ女史で、危ないから免許書を返上するように言っていたのだが、最近は言えなくなってしまった。本人がいちばん悩んでいるからだ。
彼のエッセイによると、高齢者が運転免許証を更新する時は「認知機能検査」を受けなければいけないらしい。それが今年から厳しくなって、以前はこの検査で落ちても免許証が交付されたものが、認知症と判ると免許停止か取り消しになるらしい。当然のことだ。
3月の施行から9月までの間に免許の取消しか停止になった人が、697人もいたそうだ。“認知症の恐れあり”は30,170人。ゾッとする話である。
他人事でなくなったとエサカ氏。でもそう言いながら自分が「認知機能検査」にパスしたことでホッとしているようだ。「判断力が少し低くなっています」だったとしても。
私の友人の70代後半のご主人なんか、自分に自信がなくなった時点で免許書を返上しているというのに。
ゴルフのための運転ならゴルフをやめなさいよ、と言いたいところだが、ゴルフは彼にとっては生きる歓びと認知症予防の1つなんだろう。でもなあ。

我々がこんなに認知症を怖がるのは、身内に迷惑をかけることを心配してのことに他ならない。
長生きし過ぎなのかも。平均寿命が延びても健康寿命が延びてないと嬉しくない。
ボケた年寄を抱えた家がどんなに大変か。先を考えると若い人も子供を作れないだろう。
お役人さま、教育無償化もいいですけど老人問題にも力を入れて、若い人のためにも安心してボケていられる世の中にしてくださいませ。FIC
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Posted by ゃはねぬ at 16:05│Comments(0)
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